日本レーザー医学会誌
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扁平母斑に対するルビーレーザーによる治療
舘下 亨小野 一郎
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1998 年 19 巻 4 号 p. 221-229

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抄録

編平母斑は組織学的に表皮底層におけるhypermelanosisのみの変化で真皮には病変を認めない為, 皮膚剥削術, 冷凍療法, レーザー療法による治療効果が比較的容易に期待できるものと考えられがちであるが, 実際には再発率が高く治療に難渋することが多い.
われわれは平成2年よりルビーレーザーによる扁平母斑の治療を始め, 治療法の検討を行ってきた結果, 以下の照射法をプロトコールにより治療し, 良好な結果を得ることが可能になった-つまり, まずノーマル発振パルスルビーレーザー (ノーマルレーザー) による長パルス30~40J/cm2の照射により病変部を表皮剥離の状態とする. そのうえで生じた麋爛面に更にノーマルレーザー短パルス10J/cm2およびQ-Switchedルビーレーザー (Qレーザー) 4~7J/cmcm2で追加照射をする. 初回治療後3週間目に再発の有無にかかわらずノーマルレーザー短パルス10J/ccm2とQレーザー4~7J/ccm2の照射を行うようにしている. 以上を1クールとし, 6カ月程度の間隔で2クール以上の治療を行う. 再発傾向の強い難治性の病例は未だ存在するが, 以上のプロトコールにて治療することにより再発率を著しく低下させることができ, ほぼ安定した結果が得られるようになってきた.

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