2000 年 21 巻 1 号 p. 53-62
子宮癌検診の普及による初期頸癌の増加, 高年齢出産による頸癌合併妊婦の増加,晩婚婦人の妊孕能温存へのニーズなどにより, 子宮温存を考慮し円錐切除術を選択すべき子宮頸部異形成や初期癌の症例が増加してきている, 円錐切除術は小手術ではあるが, 出血や術後頚管狭窄に留意し, また治療目的で施行する場合には遺残に関しても考慮しなければならず, 各施設において手技や使用機器などにいろいろ工夫している. 当科では1990年より円錐切除術にNd: YAGレーザーを導入し, 現在は全例にKTP/YAGレーザーを使用し, 合併症や治療成績とも良好な結果を得ている.今回, 当科で施行しているレーザー円錐切除術のコツならびに成績につき文献的考察を交えて報告する.