日本レーザー医学会誌
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半導体脱毛レーザーにおける皮膚冷却装置 (Chill Tip®) の有用性の検討
-ビデオマイクロスコープによる表皮損傷の観察-
河野 太郎野崎 幹弘
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2000 年 21 巻 2 号 p. 121-127

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抄録

半導体脱毛レーザー (Light Sheer® Coherent Medical社製: 米国) は表皮損傷を軽減する目的で先端に皮膚冷却装置 (Cool Tip®) を装備しているため, 黄色人種にとって有用な装置と考えられる. しかし, 皮膚冷却装置の有用性について比較検討した報告はないので今回われわれはその効果について検討した. 手術時に切除した余剰皮膚を対象とした. 出力は20J/cm2, 25J/cm2, 30J/cm2, パルス幅は30mssecでそれぞれ皮膚冷却装置使用, 皮膚冷却装置非使用で照射した, ビデオマイクロスコープ (High Scope®, KH-2490FS: HiROX社製: 東京, 日本) による観察 (250倍)でては皮膚冷却装置非使用群は全てに表皮損傷を認めた, 皮膚冷却装置使用群は30J/cm2照射であっても表皮損傷は軽微であった. 表皮を冷却するChill Tip®装置は, 表皮の損傷を軽識することにより高い出力の照射の可能性を示した. また, 照射時の表皮損傷を観察する上でビデオマイクロスコープの使用は簡便で無侵襲であり有用であった.

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