日本レーザー医学会誌
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PDT (光線力学的療法) 用レーザーの現状
平野 達
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2000 年 21 巻 2 号 p. 129-135

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抄録

本稿では光線力学的療法 (PDT: Photodynamic Therapy) に使用される光増感剤励起光源の現状を概観した. 光増感剤フォトブリンを用いるPDTが1993年にカナダで承認されて以来, PDTは各国で承認に向けた取組みが進み, 今や肺癌と食道癌の治療を対象にして14カ国で承認される状況となった. フォトフリンに次ぐ新しい光増感剤でも, BPD-MAが加齢性黄斑変性症の治療に, またALAが光線角化症の治療に承認された. 光源の開発も光増感剤の開発に歩調を合わせて進捗し, エキシマダイレーザー, 光パラメトリック発振器 (OPO), アルゴンダイレーザー, KTPダイレーザーの他に半導体レーザーやランプ光源が臨床使用されている. 今後は小型で低価格な半導体レーザーを中心に開発が展開するものと予想される.

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