抄録
高齢者の顔面・頸部皮膚腫瘍に対する炭酸ガスレーザー治療の有用性を検討した. 症例. 1は82歳女性で左頬部の日光角化症 (皮角+色素斑型), 第一期治療としてfocused beamで皮角基部を切除し、ついでdefocusedbearnで真皮上層までを蒸散させた. その後に第二期治療として色素斑をスーパーパルスの反復照射にて表皮部分をabrationさせた. 症例2は101歳女性で左こめかみの有棘細胞癌の再発を, 症例3は88歳男性で左頸部の瘢痕拘縮に隣接する有棘細胞癌をいずれも上記第一期治療と同様に治療した. 各症例とも炭酸ガスレーザー治療後の上皮化は良好であり、瘢痕形成や腫瘍の再発は認めない. 特に症例1では色素斑の色調の低下が著しく患者の整容的満足度は高い. 以上の結果より高齢者の顔面・頸部皮膚腫瘍に対する炭酸ガスレーザー治療の有用性が示された. 特に切除後の縫縮が困難な症例、植皮を避けたい部位においては、炭酸ガスレーザー治療の有用性は特に高いものと思われる.