昭和医学会雑誌
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原著
放射線照射神経膠芽腫における腫瘍幹細胞の動態と遺伝子解析
中條 敬人佐々木 晶子泉山 仁阿部 琢巳山本 剛立川 哲彦
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2010 年 70 巻 3 号 p. 234-244

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抄録
神経膠芽腫(Glioblastoma: GBM)は手術加療のみでは根治が困難な腫瘍で,現在は手術や放射線療法,化学療法を組み合わせる治療が行われている.しかしながら,本腫瘍は放射線・化学療法に対して抵抗性があり,再発が見られ,根治には至らないのが現状である.このような腫瘍の再発や放射線,薬物抵抗性には腫瘍幹細胞の関与が強く疑われる.われわれは腫瘍幹細胞の存在とその性状解析のために,ヒト由来GBM細胞株T98G,A172細胞を用い臨床治療と同条件の放射線照射GBM細胞を作製した.放射線照射後細胞(0Gy,30Gy,60Gy)を用いて細胞増殖率の解析やside population(SP)の解析,CD133+細胞の分離,遺伝子解析を行った.本研究結果ではCD133-細胞と比較してCD133+細胞で幹細胞関連遺伝子が高く発現していた.従って,それは腫瘍幹細胞がこれらのCD133+細胞に含まれる可能性があることを示唆した.T98G細胞において,30Gy照射後細胞は無照射細胞,60Gy照射後細胞に比べ細胞増殖率が高い傾向にあり,30Gy照射後CD133+細胞は幹細胞関連遺伝子がより高く発現していた.つまりT98Gは,抗腫瘍効果の観点で,30Gy前後の放射線照射で化学療法がより効果を示す可能性が示唆された.この遺伝子解析から腫瘍増殖はCD133+細胞が強く関与していることが示唆され,また放射線照射によりCD133+細胞に何らかの変化が生じ,治療抵抗性や治療効果に影響を及ぼしていると考えられた.
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© 2010 昭和大学学士会
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