昭和医学会雑誌
Online ISSN : 2185-0976
Print ISSN : 0037-4342
ISSN-L : 0037-4342
末梢血液に熱帶熱プラスモヂウム (原蟲) の分裂體を見出した熱帶熱マラリアの一例
沈 乃霖
著者情報
ジャーナル フリー

1939 年 1 巻 3-4 号 p. 255-259

詳細
抄録
三日熱マラリアや4日熱マラリアは末梢血液に於てマラリア・プラスモヂウム (原蟲) の分裂體を屡々見ることが出來るが熱帶熱マラリアでは通常分裂體々見ることが出來ない.熱帶熱マラリア原蟲は通常發育30時間を經過すれば末梢血液から消失して内臓の毛細血管に集つて發育をつ望ゞけそして分裂するものである.然し稀に末梢血液中に熱帶熱プラスモヂウム (原蟲) の分裂體が出現する.之れは常に生命の危險層意味するのである.著者は26歳の男子にして急に高熱, 昏睡な以て發病し頸部強直層伴ひ且つ末梢血液から熱帶熱マラリア原蟲の分裂體を證明した, 所謂昏睡マラリアの一例に就いて記述しれ.
著者関連情報
© 昭和医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top