人文地理学会大会 研究発表要旨
2010年 人文地理学会大会
セッションID: 201
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第2会場
長野県飯田下伊那地域における中山間・高齢化集落の特徴と集落活動
*平川 雄一
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抄録

 2007年1月に公表された国土交通省の「国土形成計画策定のための集落の状況に関する現況把握調査」(以下,国交省調査)の中間報告は,翌月2月に全国の新聞各紙に大きく掲載された。この「限界集落」という用語に多くの人々が衝撃を受けたことだろう。
 これを契機として全国各地で「限界集落」という表現に対し反発の声があがるなど,大きな波紋を呼んだ。また,2007年の国交省調査は「過疎地域等」と限定した調査であったことから,一部の県などでは独自に全市町村もしくは中山間地域を対象とした「限界集落」調査を実施したところもあった。
 その際,「限界集落」と呼称することに抵抗感や悲観的なイメージを抱かせることが危惧されため,「小規模」「高齢化」「小規模・高齢化」集落などと改めて用語が用いられた。
 本報告でとりあげる飯田下伊那(南信州)地域においても,「悲観的な「限界集落」から「生涯現役集落」へと発想を転換し,持続的な地域コミュニティづくりを構想する」ことをかかげ,長野県下伊那地方事務所によって高齢化調査が実施されている。
 この調査結果を受けて一部の地区では,集落のあり方や将来像を見つめ直し,集落コミュニティを再生・維持しようとすると動きが見られるようになった。
 そこで本報告では,長野県下伊那地方事務所が実施した高齢化集落調査結果をもとに飯田下伊那地域の高齢化集落の特徴を示すとともに,集落(コミュニティ)活動を実践する地区の実態を考察する。

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