理科教育学研究
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原著論文
小学校理科授業における不適切な行為に関する児童の実態
―「振り子の運動」の実験場面を事例として―
山根 悠平雲財 寛稲田 結美角屋 重樹
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2021 年 62 巻 2 号 p. 513-525

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抄録

本研究の目的は,小学校理科実験における児童の結果の不適切な行為とその原因を明らかにすることである。そのために,小学校理科の「振り子の運動」の授業を観察・記録し,発話プロトコルを作成した。次に,実験計画の設定および実施,結果の記録,測定値の取り扱い,結果および考察の報告の4場面によって起きた不適切な行為を分類し,その原因を分析した。その結果,結果の記録場面では結果の未記録が多く,測定値の取り扱い場面では測定値の不適切な処理が多くみられるなど,各場面でそれぞれ起こりやすい不適切な行為があることが明らかとなった。これらの不適切な行為の原因は,測定の難しさといった実験の特性によるものと,結果への違和感や教師への配慮といった班員の考え・思いによるものの2点に整理できた。

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© 2021 日本理科教育学会
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