昭和医学会雑誌
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剔出蛙心臓におよぼすHistidine-誘導体の影響
丸茂 達雄
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1969 年 29 巻 6 号 p. 348-360

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抄録
Carnosineおよびそのメチール化合体であるAnserine, Ophidineの薬理作用については教室の研究があるが, これらDipeptideの母体であるHistidineの冷血動物心臓におよぼす影響を検討したものは意外に少い.
本研究はL-Histidine (L-His) , Histamine (H) とそのアセチール化合体であるN-Acetylhistidine (N-A-his) とN-Acetylhistamine (N-A-h) の冷血動物心臓における作用を検討したものである.Bufo vulgarisRana catesbianaの剔出心臓について実験を行った.
1) N-A-his, NA-hの合成はBergmann, vander Merweらの方法により行ったが, 精製過程でイオン交換樹脂を使用して, 改変を加えた.両物質とも再結晶をくりかえし, 純粋度を確認した後実験に供した.
2) L-Hisの高濃度で振幅の増強がみられる.しかし律動数は各濃度で影響を受けない.これに反し, N-A-hisは振幅をBufo, Ranaの何れでも減弱した.冷血動物心臓に関してはL-HisとN-A-hisとは互に相反する作用を現わす.
3) H, N-A-hは高濃度で振幅を増強する.L-His, N-A-hisとは相違して, 両者の作用は類似している
4) Adrenaline, Acetylcholine, Dihydroergotamine, Atropine, 塩化Barium, 亜硝酸ソーダ等との併用実験からみて, L-HisとN-A-hisは心筋の特殊受容体には直接作用しないもののようである.他方H, N-A-hは心筋を直接侵襲するものと思われる.
5) HはDiphenhydramineによって拮抗される.しかしN-A-hは拮抗されない.Procaineの場合にも同様なことが観察される.したがってHの場合にもアセチール基の存在はある特定の意義を有するもののようである.
6) H作用はL-Hisの前処置によって抑制されるが, N-A-hの作用はL-HisによってもN-A-hisによっても抑制されない.この点からもアセチール基の存在はL-HisおよびH作用に対し微妙な影響をおよぼすものであることが明らかになった.
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