抄録
円錐部心室中隔欠損は他のTypeの心室中隔欠損と異なり, 大動脈弁が心室中隔欠損孔へprolapseしやすく, さらに形態学的変化が進むと大動脈弁閉鎖不全を生じる.外科的には, 大動脈弁閉鎖不全が本疾患の臨床像, 予後を修飾するので, 大動脈弁prolapseの段階でその早期治療が望まれる.われわれは円錐部心室中隔欠損における大動脈弁prolapseの非観血的診断として心音図を用いた.
心音図では, 後期収縮期雑音の増強が認められ, 診断上有意義であると判断した.さらに, 心音図所見が心カテーテル, 心血管造影の所見などと明らかな相関関係を示すのを確めた.
円錐部心室中隔欠損における後期収縮期雑音の増強は右室の円錐部にprolapseした大動脈弁による狭窄あるいは右室流出部に対する負荷によるものと考えられる.今後, 超音波による診断を加え, 後期収縮期雑音増強の機序を明らかにしたい.
本稿の大要は昭和50年7月25日, 26日, 第11回小児循環器研究会において発表した.