昭和医学会雑誌
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Pancuronium bromideの筋弛緩効果に及ぼす血清蛋白の影響
坂本 勇人
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1982 年 42 巻 5 号 p. 645-650

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抄録
非脱分極性筋弛緩薬であるPancuronium bromideは生体内で代謝産物が成生され, 一般に筋弛緩効果が減少するといわれているが, 定量法として用いられているSpectrofluorimetric methodによればoverallとして測定される.またPancuroniumは血清蛋白と結合し, 不活性化されると云われている.したがって現在, 投与されたPancuromiumとその筋弛緩効果の間の量的関係は不明な論文が多い.著者はMagnus法において蛙腹直筋のAcetylcholineの収縮に及ぼすPancuroniumと血清蛋白質の結合の状態を筋弛緩効果の面から検討した結果, 血清蛋白量の増加に伴ってPancuroniumの不活性化が著るしく, 蛋白濃度が14mg/ml以上 (血清総蛋白質が1.4g/dl以上に相当) ではPancuroniumの筋弛緩効果が72%以上減少することが示唆された.
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