昭和医学会雑誌
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弱毒ムスプスウイルス星野株ワクチン接種後の血中インターフェロン並びに各種ムンプス抗体の消長についての研究
中沢 進一
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1983 年 43 巻 6 号 p. 733-738

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抄録

ムンプス生ワクチン星野株ウィルスの生体内増殖極期とワクチン免疫効果出現開始日を解明する目的で研究を行った.ウィルス増殖極期を直接検索する事は困難であるため, ウィルス増殖により放出される血中インターフェロン (IF) を検出する方法でウィルス増殖極期を推定した. (1) ワクチン接種後7日目より16日迄に血中IFが検出された.一方抗ムンプス中和抗体は14日~16日目に出現し始め, その時の抗体陽転率が9%であったことより, 大多数の被接種者は6日目から13日目迄の間にワクチンウィルス増殖極期があるものと推定された. (2) ワクチンの免疫効果の発現は中和抗体が出現し始める14日目頃と判断された.尚, CF- (S) , HIおよびNTの3種類の抗体の陽転率はいずれも5週目で最高に達した. (3) 接種時の血中IFが少なくとも20単位以上ある場合にワクチンの抗体産生は抑制される事が明らかにされた.

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