昭和医学会雑誌
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43 巻 , 6 号
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  • 橋本 謙
    1983 年 43 巻 6 号 p. 711-716
    発行日: 1983/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 山本 龍二
    1983 年 43 巻 6 号 p. 717-726
    発行日: 1983/12/28
    公開日: 2011/01/31
    ジャーナル フリー
  • 越川 昭三, 飯野 史郎, 菅田 文夫, 寺田 秀夫, 野口 英世, 春見 建一, 若山 吉弘
    1983 年 43 巻 6 号 p. 727-731
    発行日: 1983/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    昭和57年11月1日から昭和58年7月30日まで, 藤が丘病院内科において臨床実習を行った学生に対して, 各グループ毎に筆記試験および症例検討会形式の口述試験を行った.この試験結果について, 側の得点という観点ではなく, 教員側の評価方の妥当性という観点から分析を加えた.藤が丘病院内科の, 循環器・腎臓・呼吸器・消化器・内分泌・血液・神経の7科から, 各5問ずつ国試形式の問題計35問を2週毎に作成し, 第二週6金曜午後1時~2時に試験を実施した.また症例検討会は第二週の午後に各科1時間ずつ実施した.出題総数は595問で, 平均正解率は0.613である.正解率分布をみると, 90%以上の正解を示す問題が29%あり, 平易問題がやや多い傾向を示した.識別係数は平均0.173である.出題形式はすべて多肢選択形式をとっているが, 国試の現行4形式に従わたい出題が約30%にみられた.解答過程で分類すると, 想起レベルの問題が92%を占め, 解釈レベルと問題解決レベルの問題は8%弱であった.解釈レベルと問題解決レベルの出題を増やす努力が必要である.口述試験における主観的評価には, 教員間での採点基準の差異をいかに調整していくかが, 今後の課題である.学生評価法の妥当性は常に分析され反省されることが必要であり, このような分析を繰り返すことによって, 更に評価法の質を高めることが可能になる.
  • 中沢 進一
    1983 年 43 巻 6 号 p. 733-738
    発行日: 1983/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    ムンプス生ワクチン星野株ウィルスの生体内増殖極期とワクチン免疫効果出現開始日を解明する目的で研究を行った.ウィルス増殖極期を直接検索する事は困難であるため, ウィルス増殖により放出される血中インターフェロン (IF) を検出する方法でウィルス増殖極期を推定した. (1) ワクチン接種後7日目より16日迄に血中IFが検出された.一方抗ムンプス中和抗体は14日~16日目に出現し始め, その時の抗体陽転率が9%であったことより, 大多数の被接種者は6日目から13日目迄の間にワクチンウィルス増殖極期があるものと推定された. (2) ワクチンの免疫効果の発現は中和抗体が出現し始める14日目頃と判断された.尚, CF- (S) , HIおよびNTの3種類の抗体の陽転率はいずれも5週目で最高に達した. (3) 接種時の血中IFが少なくとも20単位以上ある場合にワクチンの抗体産生は抑制される事が明らかにされた.
  • 神津 正明, 猪口 清一郎, 木村 忠直, 鈴木 雅隆
    1983 年 43 巻 6 号 p. 739-747
    発行日: 1983/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    筋機能の形態学的解析の一端として動物の体位と骨格筋のはたらきとの関係を検討するために, ラット胸骨乳突筋の筋線維構成をSudan Black B染色標本によって他と比較した.ラットの胸骨乳突筋では雌雄平均で, 筋腹の横断面積は19.7mm2, 1mm2中の筋線維数は221, 断面の筋線維総数は4180, 筋線維の太さは白筋線維で3861.9μ2, 中間筋線維で2221.6μ2, 赤筋線維で1195.1μ2, また, 3筋線維型の比率は白筋線維52.6%, 中間筋線維22.0%, 赤筋線維26.0%であった.これらの中で筋腹横断面積, 筋線維の太さは雄の方が, 1mm2中の筋線維数は雌の方がそれぞれ他よりも優り, 筋線維の太さと体重との間には相関関係が見られた.これらはラットの他筋と較べて, 筋の太さおよび筋線維数では下肢筋にはるかに劣り, 腹直筋に最も近かったが, 筋線維の太さおよび白筋線維の頻度では前脛骨筋レベルで腹直筋にまさる傾向が認められた.これは, ヒトにおける胸鎖乳突筋と腹直筋との関係と対照的であり, ラットの伏位型体位に基づく胸骨乳突筋の機能形態の現われであると考えた.
  • 篠原 広行
    1983 年 43 巻 6 号 p. 749-762
    発行日: 1983/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    骨シンチグラフィーにおける至適撮影開始時期 (RI静注直後よりガンマカメラによるイメージングを開始するまでの経過時間) を得られるRI像の画質という観点より考察する目的で, ファントームを用いて画質評価の方法論を検討した.ファントームは骨シンチグラフィーにみられるRIの異状集積をシミュレートした, 一定放射能濃度のバックグランドとそれよりも高濃度のRIを含む球 (hot lesion) よりなる.ファントームを一定の解像力と感度を有するガンマカメラにより計数密度200~4000counts/cm2で撮像し, イメージ中にlesionが見えるかどうか4段階の確信度で視覚的に評価した.視覚評価の確信度と, カメラの解像力および被写体コントラストより計算で求めたイメージコントラストの関係 (LD曲線) を求めた.LD曲線より, ある大きさと被写体コントラストを有するlesionを検出するのに必要な計数密度, あるいはカメラの解像力, 感度が変化した場合, 検出能がどう変化するか推定することが可能である.つぎに骨シンチグラフィーにおける体内RIの挙動モデルを作成するため, 正常volunteer3人に99mTc-HMDPを静注し, ガンマカメラにon-lineに接続したミニコン・システムに1分間隔でイメージを収録した.このイメージに胸椎XII~腰椎II, 腰椎III~Vおよび両側腎下部の軟部組織にROIを設定し, それらのareaのtime histgramを得た.上記データより, bone uptake curveに相当する, 1) 椎体部より軟部組織の計数値を差し引いた99mTc-HMDPの骨への集積曲線2) 椎体部と軟部組織の計数値の比 (bone/soft tissue) を求めた.1) , 2) をもとに得られたRIの挙動モデルについて, 円で近似した腫瘍等のRI異状集積部位のイメージコントラストをRI静注後2, 3, 4時間について計算した.このイメージコントラストとファントーム実験で得られたLD曲線との対比より, 骨シンチグラフィーの至適撮影開始時期は, 静注後3時間, 必要な計数密度は脊椎部分で3000counts/cm2と結論される.
  • 松宮 輝彦, 白石 武昌
    1983 年 43 巻 6 号 p. 763-771
    発行日: 1983/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    糸状菌Aspergillus melleusの産生する分子量約30, 000の白色結晶性粉末である微アルカリ性蛋白分解酵素 (Semi-Alkaline-Proteinase) , 一般名Seaprose-S (以下SAPと省略) をヒトの脳波を指標とし, アルコール負荷による神経細胞への影響と, ネズミを用い, 大脳内ニューロン活動への影響を, 微量投与と直接ニューロン膜への投与により検討し大要次のごとき成績を得た.1) 健康成人男子のアルコール負荷脳波に対して, SAP (270mg) の経口投与により, 明らかにアルコールによる徐波化の傾向を抑制する作用を示した.2) SAP投与によって血液の生化学的所見, 血圧, 脈拍やその他一般的所見には何らの変化を与えなかった.3) ラットの大脳内に微量 (1~10μg/0.1~1, μl) 投与により79%のニューロンが応答し, 69.8%がSAPにより興奮性を増し, 30.2%のニューロンが興奮性を低下 (抑制) を示した.4) SAPのニューロンへの電気微小滲透的投与による直接の影響は64.4%の応答したニューロンのうち, 46.3%が興奮性を増したのに反し, 抑制を示したのは3.7%に過ぎなかった.5) SAP投与によってそのニューロン活動に変化を与えたのは大脳新皮質のニューロンが多かったが, 間脳のニューロンに対しても反応を示した.以上の成績などから脳内, 特に大脳皮質のニューロンの興奮性を強化する作用がSAPに存在することが明らかとなり, これらのことなどから, SAPの浮腫への効果が期待された.
  • 竹元 愼吾, 三浦 純一, 松田 哲郎, 片岡 徹
    1983 年 43 巻 6 号 p. 773-784
    発行日: 1983/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    高齢者では平常より加齢による腎機能低下ならびに体液量の減少が存在し, 手術侵襲に伴う術中, 術後の腎機能への影響が著しく, 術後腎機能低下に陥りやすい.今回, 高齢者における手術侵襲に伴う腎機能の変化を知る目的で, 開腹術施行症例 (51例) において術前, 術後のCcr, CH2O, Cr, BUNなどを経時的に測定した.症例において, 65歳未満非輸液群 (A群: 21例) をcontrolとし, 65歳以上を非輸液群 (B群: 15例) と輸液群 (C群: 15例) に分け, 3群で比較検討した.Ccrの術前値はA群: 74.1±36.5ml/min, B群: 54.6±15.5ml/min, C群: 57.6±13.8ml/min, であり, A群に比べB, C群では低値の傾向がみられた.術後の推移をみると, 3群とも術後下降し, その後時間の経過とともに次第に上昇した.しかしながら, A群とC群が術後12時間で術前値に復し, 比較的類似した経過をとったのに対し, B群では大幅に回復が遅延した.B群との間には術後3時間から12時間において有意差がみられた (p<0.05) .CH2Oの術前値の絶対値はA群: 0.81±0.49ml/min, B群: 0.52±0.31ml/min, C群: 0.57±0.35ml/minであり, A群に比べB, C群では低値の傾向がみられた.術後の推移をみると, 3群とも0に収斂し, その後時間の経過とともに次第に下降した.A群では術後0に収斂し, 術後1時間の絶対値は0.28±0.13ml/min (術前値の34%) まで低下したが, 術後3時間では絶対値は0.67±0.42ml/minと著明に回復し, 術後12時間で術前値に復した.一方, B群では術後0に収斂し, 術後1時間の絶対値は0.09±0.07ml/min (術前値の17%) まで低下し, 術後3時間で絶対値0.16±0.07ml/min.と多少回復の傾向がみられるが, 術前値への回復は大幅に遅延した.C群ではB群より回復がよく, 術後12時間で術前値に復した.B群とC群の間には術後3時間から12時間で有意差がみられた (P<0.05) .CcrおよびCH2Oは手術侵襲に対して著明な変動を示したのに対し, CrおよびBUNでは著明な変動はみられなかった.以上から, (1) 高齢者において手術侵襲による腎糸球体および尿細管機能への影響が強いこと, (2) 術前の輸液が術後の腎機能の保持に有利に働くこと, (3) 術前, 術後のCcrおよびCH20を経時的に測定することにより, 術後の腎機能の推移, 変化を早期に, 確実に把握することが可能なことが理解された.これらの結果は, 高齢者における術後急性腎不全の予知ならびに発生防止にきわめて重要な意味を持つものと考えられる.
  • 河村 正敏, 片岡 徹, 鈴木 博, 石井 淳一
    1983 年 43 巻 6 号 p. 785-796
    発行日: 1983/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    従来, 若年者胃癌は進行が速く, 予後不良とされており, その臨床病理学的特徴については過去に多数の報告がみられる.しかしながら, 諸家の意見が一致しない点もみられ, 統一的見解に至っていないのが現状である.そこで今回, 若年者胃癌の臨床病理学的特徴および遠隔成績を知るに当り, 高齢者胃癌とを比較検討した.著者らが過去20年間 (1961~1980) に取り扱った入院初発胃癌患者総数1, 335例のうち, 29歳以下の若年者胃癌50例 (3.7%) および70歳以上の高齢者胃癌224例 (16.8%) を検討の対象とし, 以下の結果を得た.男女比は若年者胃癌1: 1.5, 高齢者胃癌2.6: 1と若年者胃癌には女性が多く, 19歳以下の4例は全例女性であった.女性若年者胃癌の26.7%に妊娠との関連がみられ, 遺伝的背景に関しては若年者胃癌と高齢者胃癌の問に差を認めなかった.若年者胃癌の臨床的特徴としては, 初発症状, 主訴ともに比較的急激な症状を呈する症例が多く, 心窩部痛が最も多く, 次いで悪心・嘔吐, 貧血, 吐血などであった.病悩期間の平均は11.8か月で高齢者胃癌より長い傾向にあり, 病悩期間3か月以内が30%と, 高齢者胃癌 (48.7%) との間に差がみられ (p<0.02) , 若年者胃癌では受診の遅れがみられた.また, 切除率および治癒切除率はそれぞれ72.3%, 44.7%であり, 高齢者胃癌との間に差はみられなかった.若年者胃癌の切除胃の病理学的特徴としては, 肉眼所見では表在癌は陥凹型が多く, 進行癌ではBorrmann III, IV型が多く (全体の61.8%を占める) , 占居部位はM領域が52.9%と多かった.組織学的所見では高齢者胃癌に比べて, 組織型は低分化型 (76.5%) , 問質量はscirrhous type (35.3%) , INFはγ (70.6%) , 深達度はps (+) (70.6%) , stage III・IV (79.4%) の頻度が高く, 間質量, INF, 深達度で有意差がみられた.これら病理組織学的特徴の背景には, 若年者胃癌と高齢者胃癌の組織発生の場の相違が深く関与していることが示唆された.n (+) は高齢者胃癌との問に差はないが, n3 n4が若干多い傾向にあり, 脈管侵襲には差が認められなかった.若年者胃癌では腹膜播種性転移を起こしやすく, 開腹時にP1以上が47例中19例 (40.4%) にみられ, しかもP2, 3の高度な症例がその89.5%を占めた.これは若年者胃癌には低分化癌, INFγ, ps (+) 症例が多いのに関係が深いことが推測される.遠隔成績を相対生存率でみると, 5年生存率は全切除例で48.9±19.6%, 治癒切除例で75.8士22.2%と比較的良好な成績が得られ, 高齢者胃癌との間に有意差はみられなかった.若年者胃癌では病理組織学的には悪性度, 進行度の高い症例が多くみられるが, 特に治癒切除例では長期生存も可能であるとの結果が得られた.若年者でも胃癌の存在を念頭に置いてapproachし, 早期発見および治癒切除を心掛ければ遠隔成績の向上が十分期待できるものと考える.
  • 成原 健太郎
    1983 年 43 巻 6 号 p. 797-811
    発行日: 1983/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    胃切除後患者にアンケート調査を行い, ダンピング症候群を疑われた42名に50%糖液150mlを経口投与し, 20名 (47.6%) に早期ダンピング症候群が発生した.ダンピング症候群における循環動態の変動, 生化学的な変動, 呼吸系の変動の関与を知る為に, 血中セロトニン, 血中カテコールアミン, 血清カリウム, 酸―塩基平衡心電図の変化, 心仕事量について検討を行い, 次の様な結果を得た.1) 血中セロトニンの有意の増加, 血中カテコールアミンの有意の増加がみられ, 糖負荷後, 経時的に両物質は平行関係にあり, セロトニン, カテコールアミンの間に密接な関係があることが示唆された.2) 血清カリウムは, ダンピング症候群で減少がみられたが, これは.血糖値の一時的上昇に伴う血中インシュリンの増加によって惹起されるものと考えられた.3) 心電図T波の平低化は, ダンピング症候群で著明に認められた.T波の平低化と関連がみられたのは血中カテコールアミンの増加, 血中セロトニンの増加, 心仕事量の増加であった.従来言われている血清カリウムの低下とT波の平低化との関連は希薄であった.4) 酸―塩基平衡ではPo2の低下, PCO2の上昇がみられ, 呼吸機能低下が示唆された.5) 心電図のT波の平低化, 心仕事量の増加, 酸―塩基平衡のアンバランスなどはダンピング症候群の他覚的症状として考えるのが妥当で, これらの諸症状には交感神経系が関与しているものと考えられた.6) ダンピング症候群における病態は総括的にみると可逆性ショックの病態と非常に似ている.すなわち, 心拍出量の低下, 心仕事量の増加がみられ末梢循環不全を来す, その為に循環器系の諸症状が発現するものと考えられた.7) 糖負荷後にみられる末梢循環不全は, カテコールアミンを賦活し, さらに末梢循環不全や心仕事量の増加を推進することが考えられた.以上のことからカテコールアミンはセロトニンとともにダンピング症候群の発現因子として不可欠な物質と考えられた.
  • 長田 洋文, 関谷 基子, 松本 博光, 佐藤 博紀, 春見 建一
    1983 年 43 巻 6 号 p. 813-819
    発行日: 1983/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    1) 迅速かつ簡便なCA測定法として, Hogansの考按せる螢光法に, 硼酸ゲルカラムの使用, 螢光発色法の改良など, 若干の工夫を加えた方法につきその精度を検討した.また尿および脳CA測定に本法を応用した.2) 本法による測定の精度 (回収率, 再現性, 感度) は良好であった.3) 硼酸ゲルカラム過程は1時間内, 測定時間も全体として3時間で充分であった.4) 本法と高速液クロ法との対比では, D, N, E各々, r=0.92, 0.90, 0.88と良い相関が得られた.5) 本法による正常人 (57例) の24時間尿のCA値はD120.3μ9/day, N33.6μ9/day.E9.3μ9/dayであった.6) 本法によりSHRとWRの脳CAを検討したところ, SHRではN0.18μg/g.D0.7μg/g, WRではN0.11μg/g, D0.5μg/gであり, N, DともSHRで高値を示す傾向があった.7) ゲージ固定ストレス下のSHRおよびWR, の脳CAを検討したところ, NおよびDともにストレス15分では変化なく, 60分で減少を示した.またNはSHRがWRより大であった.8) 以上より, 本法は尿および組織CAの測定法として簡便かつ迅速であり, 充分実用に耐えうることが示唆された.
  • 民上 正俊
    1983 年 43 巻 6 号 p. 821-826
    発行日: 1983/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    カエル心臓中monoamine oxidase (MAO) とclorgyline-resistant amine oxidase (CRAO) の存在を確認し, それらの酵素化学的性質の比較検討を行った.基質として5-hydroxytryptamine (serotonin) , β-phenylethylamine (PEA) , benzylamine, tyramineを使用しMAO-A, MAO-Bの特異的阻害剤clorgyline, deprenylによる阻害作用を検討した結果, 両阻害剤による阻害作用はserotoninの場合を除きいずれも弱く, いずれの基質の場合も高い残存活性が認められた.しかし, この残存活性はsemicarbazideにより完全に阻害された.両酵素活性の割合はserotoninの場合を除きいずれもCRAOが優位であった.この結果, カエル心臓には比較的高濃度のCRAOと, 主にserotoninを代謝するMAO-Aが存在するものと思われる.この成績は前報でのカエル脳および肝臓での両酵素活性の分布と著しく相違し, 他の哺乳類の心臓での分布と一致する.しかし, カエル心臓では他の哺乳類とは異なる基質特異性を示す, 性質の異なるCRAOの存在が示唆された.
  • 山藤 武久, 武井 信子, 東 悳彦
    1983 年 43 巻 6 号 p. 827-831
    発行日: 1983/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    ラット肝ミクロゾームに存在するカタラーゼ生合成の中間体と考えられる分子―酵素置性のない, 抗カタラーゼ抗体と反応する, 放射性アミノ酸によって短時間に標識される分子―が.ミクロゾームDOC抽出液のpH6処理 (沈殿) , 硫酸アンモニウム30gw/vによる塩析 (上清) によって, 成熟したカタラーゼ分子 (4量体) から分別される可能性が示された.この分子は主としてカタラーゼ単量体と考えられる.
  • 山藤 武久, 武井 信子, 東 悳彦
    1983 年 43 巻 6 号 p. 833-837
    発行日: 1983/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    ラット肝細胞サイトゾル中に存在するカタラーゼ生合成の中間体と考えられる分子―酵素活性のない, 抗カタラーゼ抗体と反応する, 放射性アミノ酸によって短時間に標識される分子―が, 硫酸アンモニウム30gw/vによる塩析によって, 成熟したカタラーゼ分子 (4量体, 分子量240, 000) から分別された塩析上清に回収されるこの分子は, ゲル濾過や電気泳動によって, 分子量60, 000のカタラーゼ単量体と, それ以下のサイズの未だ報告されていない数個のペプチドを含むことが示された.
  • 毛山 章
    1983 年 43 巻 6 号 p. 839-847
    発行日: 1983/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    フォルマリン注入固定の成人屍54体 (男性: 32, 女性: 22) における脳の動脈の内周径を, 田所, 山下の方法によって計測し, その相互関係, 性差, 年齢差, 左右差を検討して, 次の様な結果が得られた.1) 内周径の平均値は, 内頸動脈と椎骨動脈では前者が, 脳の前, 中, 後大脳動脈では中大脳動脈がそれぞれ他よりも大であったが, 前, 後交通動脈の問には差は認められないで, 脳底動脈は内頸動脈に次いで大であった.2) 性別的には, 男性の方が女性に優る傾向が見られ, その傾向は脳底動脈, 椎骨動脈において著明であった.3) 年齢的には, 内頸動脈, 中大脳動脈および後交通動脈では一般に加齢的増大の傾向が見られたが, 前大脳動脈, 後大脳動脈および脳底動脈では女性にのみ僅かにこの傾向が見られたに過ぎない.4) 左右を比較すると, 内頸動脈, 後交通動脈および中大脳動脈においては右側が, 椎骨動脈においては左側がそれぞれ僅かに他よりも優る傾向が見られた.5) 個体別に各動脈の内周径を比較すると, 内頸動脈と中大脳動脈との間には内周径の相関関係が認められた.男性は女性よりも前大脳動脈が後大脳動脈よりも大なるものが多い傾向が見られたが, 前, 後交通動脈についても男性は前交通動脈が, 女性は右後交通動脈がそれぞれ他性よりも大きい傾向が見られた.内頸動脈と椎骨動脈の比較では前者が大なるものが大部分を占めたが, 後者の左側が左, 右内頸動脈よりも大なるものが稀に見られた.6) 他と比較すると.田所, 成尾の計測値よりも内頸動脈は小で, 中大脳動脈は大であった.これは材料の固定による影響を考えられたが, 他の動脈については太さの相違は認められなかった.
  • 安原 一, 沼波 良太, 亀井 勝彦, 後藤 裕美, 大庭 忠弘
    1983 年 43 巻 6 号 p. 849-853
    発行日: 1983/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    脳血管拡張作用を有するCa拮抗薬, nicardipineを寝たきり老人に投与した所, ほとんどの患者の心電図T波を減高させた.nicardipineは収縮期血圧を有意に低下させ, 心拍数を有意に増加させる作用が認められ, このことが, 心電図T波へ影響する可能性が示唆され, 老人特に寝たきり老人にnicardipineを投与する際には, 血圧, 心拍数, 心電図変化を充分follow upする必要があると思われる.
  • 水上 忠弘, 高橋 正一郎, 香川 宗也, 石井 誠, 斉藤 博文, 藤本 治道, 田代 浩二
    1983 年 43 巻 6 号 p. 855-858
    発行日: 1983/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    慢性呼吸不全で療養中の76歳, 男性に認められたBorrmann II型胃癌で胃外増殖型を示した一剖検例を経験した.腫瘤は20cm×16cm×18cmの大きさで, 表面は完全に漿膜で被われ平滑, のう腫状であった.病理組織学的には乳頭腺癌であった.胃外増殖型胃癌は胃癌の発育形態としては比較的稀な型であり, 本邦での報告例は自験例を含めて37例を数えるにすぎなかった.これら症例は腹部腫瘤で気付かれることが多く, 大きさの割には周囲臓器への直接浸潤は比較的少なく, 積極的な手術が望まれた.更に組織学的には乳頭腺癌から低分化腺癌にいたるまで多様であるが, いつれも髄様型を示すことが共通の特徴であった.
  • 篠原 文雄, 井上 紳, 渡辺 秀義, 牧角 裕, 藤本 治道, 塩川 章, 風間 和男, 飛田 明, 野口 澄子, 鈴木 嘉茂
    1983 年 43 巻 6 号 p. 859-864
    発行日: 1983/12/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    心筋梗塞 (以下梗塞) に合併した後乳頭筋頭部断裂の2例を報告した.症例1: 68歳, 女, 既往に弁膜症がある.胸痛発作で入院, 入院時心尖部にLevine III度の全収縮期雑音 (+) , Thrill (-) , 心電図は急性下壁梗塞心エコーでDDRの亢進, 8日後に再梗塞による心不全で死亡.心重量490g.梗塞が後乳頭筋を含む左室側壁後壁中隔と一部右室後壁にあった.また後乳頭筋頭部断裂を合併右冠動脈に血栓と左回旋枝に高度狭窄.断裂は再梗塞後に発生した.また弁膜症は乳頭筋不全によるものであった.症例2: 61歳, 男, 既往に糖尿病, 狭心症, 高血圧がある.胸痛発作で入院し, 心電図は急性下壁梗塞12日目に突然心尖部にLevine III度の全収縮期雑音 (+) .Thrill (-) .8日後に心不全で死亡.心重量490g.梗塞が後乳頭筋を含む左室後壁中隔にあった.また後乳頭筋頭部断裂を合併他に古い前壁中隔梗塞もあった.右冠動脈に血栓と左冠動脈に60%狭窄.2症例とも生前診断は出来ず, 本合併症は稀であるが, 手術により救命可能であるため早期診断が望まれる.
  • 柳沢 宏実, 鈴木 薫, 佐々木 聡, 川端 善司, 葛西 邦博, 真木 登喜世, 末木 博彦, 福留 恵子, 新村 陽子, 田中 洋子, ...
    1983 年 43 巻 6 号 p. 865-873
    発行日: 1983/12/28
    公開日: 2010/09/09
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