昭和医学会雑誌
Online ISSN : 2185-0976
Print ISSN : 0037-4342
ISSN-L : 0037-4342
Hodgkin病におけるAlpha-Naphthyl-Acetate-Esterase活性について
杉山 喜彦塩川 章九島 巳樹藤本 治道牧角 裕
著者情報
ジャーナル フリー

1984 年 44 巻 5 号 p. 669-677

詳細
抄録

リンパ節スタンプ標本による, Alpha-Naphthyl-Acetate-Esterase染色の活性を37例のHodgkin病と70例の非特異性リンパ節炎について検索した.Hodgkin病におけるDroplet positive cellはリンパ節炎にくらべ減少がみられた.これはT cellの腫瘍性変化によるものと思われた.Hodgkin病においてもリンパ節炎の症例でも若年者は比較的ANAE活性が保たれており, 一方40歳以上の症例ではANAE活性の減弱がみられた.両疾患ともB cellやPlasma cellにおいては量的変化は認められなかった.Hodgkin細胞やReed-Sternberg型の巨細胞におけるANAE活性は, 数例の上咽頭癌の腫瘍細胞と類似しており, ある種のウイルス感染を示唆する所見であった.

著者関連情報
© 昭和医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top