昭和医学会雑誌
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術後高K血症をきたした慢性腎不全患者の麻酔経験
岡田 まゆみ米良 仁志増田 豊細山田 明義
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1987 年 47 巻 2 号 p. 283-287

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抄録
長期人工透析患者の大腿骨人工骨頭置換術の麻酔管理を経験した.術中術後にわたり, 管理に難渋した症例であった.患者は41歳の女性で, 慢性腎不全と診断されてから20年経過しており, 10年以上にわたり人工透析をうけてきた.外傷の既往のない左大腿部痛で整形外科を受診し, 大腿骨頸部骨折の診断のもとに手術が施行された.術前より不安定な循環動態が予測されたため, 麻酔は比較的循環系への影響が少ないとされている0.5%ブピバカインを用いた脊椎麻酔で行った.術中の低血圧に対してはドパミンと輸血で対処したが, 術中術後にわたり低血圧, 高K血症が持続した.その後, 内シャントの閉塞, 後腹膜腟への出血が続いて生じたため, 大腿静脈を用いた緊急透析, キレート剤使用等により救命した.慢性腎不全患者の麻酔に際しては, 種々の重篤な合併症が生じる危険性があり, 術前より計画的な全身管理を行なわなければならない事を痛感した.
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