抄録
単核白血球培養上清に存在する分化誘導因子の一つは腫瘍壊死因子 (TNF) であることが明らかになったが, ヒト骨髄性白血病株細胞ML-1のin vitro培養系でそのTNFの作用を充進する方法を試みた.分化誘導の指標にNBT還元能を用いた.TNFは濃度依存的にML-1細胞のNBT還元能を誘導した.TNFの分化誘導作用は細胞をあらかじめActinomycin Dと前培養することで著しく高められた.その作用機序を明らかにする目的で種々の高分子合成阻害剤とTNFの併用効果を検討した.調べた三種のDNA合成阻害剤全てとActinomycin Dに強い増強作用が認められたが, 他のRNA合成阻害剤のCordycepinではその作用が弱く, α-Amanitinでは増強されなかった.蛋白合成阻害剤は増強作用を示さなかった.Actinomycin Dは用いた濃度ではDNA合成をより強く阻害することによってTNFの作用を増強したものと思われる.