抄録
汽水湖尾駮沼におけるアマモ場の水平分布および資源量に関する調査を2004年6月から2005年4月に至る期間, 航空写真の画像解析と潜水調査の両面から実施した。アマモ (Zostera marina) およびコアマモ (Zostera japonica) の2種のアマモ類の植生が確認された。両種の分布水域を調査した結果, アマモは湖岸の水深約1~1.5mの等深線に沿って, 細長く帯状の分布状況が確認された。一方, コアマモは, 水深約0.5m以浅の砂泥質域においてパッチ状の分布状況が確認された。アマモ場 (アマモおよびコアマモ) 群落の総面積は約0.08km2で, これは尾駮沼の湖面積の約2%に相当する。底質における有機物含量がアマモ場の分布を支配する重要な要因であることが示唆された。また, 尾駮沼全体におけるアマモ場の総資源量 (葉部と根部の和) は, 一年のうちで6月に最大値 (約72t) を, 4月に最小値 (約22t) をそれぞれ示した。約30~40年前の尾駮沼全体におけるアマモ場の総資源量と比較した結果, 日本国内の多くの沿岸水域で観測されているような減少状況は認められなかった。