昭和医学会雑誌
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ATPならびにSodium Nitroprussideによる低血圧麻酔が腹部臓器血流及び循環動態に及ぼす影響
鈴木 尚志
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1987 年 47 巻 4 号 p. 495-507

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抄録
雑種成犬51頭を対象としてATP及びSodium nitroprusside (SNP) を用いた低血圧麻酔 (低血圧開始前値の80%または50%に平均動脈圧を減少した) における, 水素ガスクリアランス法を用いた腹腔内臓器血流 (腎皮質, 腎髄質, 肝, 脾) 及び循環動態の推移について観察し, 以下の結果を得た。1) 腎皮質, 腎髄質, 肝, 脾の4臓器における組織血流は, 肝以外では減少したが, そこには血圧低下の手段として用いたATP, SNPの2薬剤による差はなかった。2) 低血圧時の臓器血流の変化は, 灌流圧のレベルだけでなく低血圧時間の多寡によっても影響された。3) 2薬剤の呼吸, 循環に及ぼす影響は, これまでの諸家の報告と類似した。4) Dipyridamoleを前処置したATP低血圧麻酔では, ATP単独による低血圧麻酔に比べて, ATPの投与量ははるかに少なく, かつ低血圧麻酔中に発生する過剰塩基の低下が軽度であった。このATP低血圧麻酔時における過剰塩基の低下には, 臓器血流以外の因子が関与していることが示唆された。
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