昭和医学会雑誌
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開腹手術に伴う体液中アミラーゼ活性の変動
―アミラーゼアイソザイム, アミラーゼ・クレアチニンクリアランス比による再考察―
桜井 俊宏高木 康
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1988 年 48 巻 2 号 p. 233-238

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抄録
開腹手術前後の体液中アミラーゼおよびアミラーゼアイソザイムの変動について, 開腹手術患者50例を対象として検討した.開腹手術後, 血中アミラーゼ活性は1, 3時間と低下するが, 手術後12時間より上昇しはじめ, 24時間で最高値 (術前値の2.78±0.53 (x±SE) ) となり, その後3, 5日と漸減し, 7日頃ほぼ術前値に復した.この時, アミラーゼアイソザイムのうち膵由来のP-アミラーゼは, 術後あまり変動なく, 術前値とほぼ近似した値であった.これに対し, 唾液腺, 腸管由来のS-アミラーゼは総活性とほぼ同様な動きを示し, 開腹手術後の一過性の高アミラーゼ血症はS-アミラーゼによることが判明した.なお, この術後の高アミラーゼ血症と手術時間, 手術症例における病態の進行度との間には直接的な因果関係を認めず, 非特異な機序による上昇であることが示唆された.このアミラーゼに関連して, アミラーゼ・クレアチニンクリアランス比 (ACCR) を検討したところ, 術前値の3.73±1.0 (%) (x±SD) に比べて術後24時間値では4.43±1.55 (%) と有意 (P<0.05) の上昇が認められた.特にP-アミラーゼはS-アミラーゼに比べてその上昇は著しく, 術後の高S-アミラーゼ血症の一因とも推測された.
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