昭和医学会雑誌
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MRIが診断に有用であった骨盤内蜂窩織炎の1例
縄田 淳加古 結子新里 勇二古荘 純一長谷川 真
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キーワード: 骨盤内蜂窩織炎
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1990 年 50 巻 1 号 p. 100-104

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抄録
症例は8歳男児.発熱, 腹痛, 嘔吐を主訴に第4病日に入院急性腹膜炎の診断で緊急開腹手術を施行したが, 虫垂をはじめ消化管に病変を認めなかった.腹水より化膿性連鎖球菌が検出されたため原発性腹膜炎を考え, 化学療法を施行した.その後も, 臨床症状, 検査所見の改善を認めず, 他疾患の合併を疑い, 繰り返し腹部エコーを施行した.第11病日膀胱周囲に異常エコー域, 第12病日MRIにて骨盤内腹膜外腔に炎症巣と思われる広範囲の高信号域を認め, 骨盤内蜂窩織炎と診断した.なお, 患児は強力な化学療法で全治した.骨盤内および後腹膜腔の炎症性疾患の診断には, 従来の診断法に加えMRIが有用であると考えられた.
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