昭和医学会雑誌
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筋萎縮性側索硬化症の臨床 ―当科24症例の検討―
川畑 博若山 吉博
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1990 年 50 巻 6 号 p. 657-663

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抄録

昭和54年12月から平成元年10月の問に当院神経内科に入院したALS患者24例を対象として, 臨床的事項と検査所見の両方を検討し, 最近の多数例の報告結果と比較した.男女比は3: 1, 平均発症年齢は60.0歳であった.上肢の筋力低下から発症するタイプが最も多く, 全体の半数はこの上肢型で占められたが, 女性では球麻痺から発症するのが比較的多くみられた.一般臨床医家もALS患者を診察する機会は多いのに反してALSとしてフォローされていたのは全体の1/3症例しかなく診断に苦慮している傾向がみられた.検査では血中CKおよびmyoglobin値の上昇と肝機能障害を少数例で認めたが, 軽度の異常で疾患に特異性はみられなかった.以上を最近の報告結果と比較すると我々の症例は男性の比率が若干高くて, 高齢発症の傾向がみられたが, それ以外は他施設からの報告とほぼ準じた結果を示した.

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