昭和医学会雑誌
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悪性症候群と考えられた1症例
田崎 修平高橋 正一郎舩冨 等八田 善夫林 芳郎藤村 憲治今給黎 満幸
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キーワード: 悪性症候群
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1990 年 50 巻 6 号 p. 676-680

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抄録

73歳男性が, 高熱と無言無動状態で, 当院入院急性心筋梗塞とdiltiazem, dipyridamole, indomethacine, diazepam等常用の既往があった.入院後も高熱持続し, さらに, 著明な発汗, 頻脈, 無力性昏迷, 筋強剛出現, 白血球増多とCPK, LDH高値を示し, 悪性症候群が疑われた.Dantrolene sodium, bromocriptine mesilateを経鼻で, levodopaを静注で投与したが, 耐糖能異常, DIC, 急性腎不全を併発し, 血液透析も行ったが, 12病日で死亡した.本症例における悪性症候群発症を単一薬剤で説明することは困難であり, 薬剤はその併用薬剤, 投与法, 患者の状態によって予期せぬ重篤な副作用を惹起する事があり, 使用に際し充分な注意が必要であると考えられた.

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