昭和医学会雑誌
Online ISSN : 2185-0976
Print ISSN : 0037-4342
ISSN-L : 0037-4342
Non-Ulcer Dyspepsia (NUD) の食道・胃機能面よりの検討
鈴木 良洋高橋 寛藤田 力也菅田 文夫
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 53 巻 1 号 p. 19-24

詳細
抄録
内視鏡, CTscan, 超音波等の諸検査にて器質的疾患が完全に否定されたにもかかわらず上腹部不定愁訴を慢性的に訴えるnon-ulcer dyspepsia (NUD) 患者に対して食道と胃の機能面より検討した.すなわち, アセトアミノフェン法による胃排出能の測定, 食道内の24時間pHモニター, 食道下部括約筋帯圧の測定を施行した.その結果, 胃排出能はNUDではアセトアミノフェン服用後の血中濃度はnormal volunteerと比較して有意に低下していた.一方, 24時間食道pHモニターリングにおいてはnormal volunteerではpHが4以下とならなかったがNUD患者ではpH4以下は89.75±99.3minであり自覚症状のうち『胸やけ』の発現と相関していた.また下部食道括約筋帯圧 (lower esophageal sphincter pressure: 以下LESP) はnormal volunteerに対してNUD患者では有意に低下していた.以上よりNUDは胃の排出能の低下とLESPの低下による食道胃の機能異常によって生じることが示唆された.
著者関連情報
© 昭和医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top