抄録
自動生検装置と18ゲージのcutting-needle (18G針) を用いたCTガイド下経皮肺生検の有用性を, 20ゲージのcutting-needle (20G針) を用いた場合と比較して検討した.対象は自動生検装置とcutting-needleを用いてCTガイド下経皮肺生検を施行した83検査 (83症例, 83病変) で, そのうち66検査では20G針, 17検査では18G針が用いられた.生検成功率, 合併症発生率, 検査時間, 悪性腫瘍の正診率に関しては, 両グループ間に有意な差はなかった.採取された組織片の量ならびに組織学的質を5段階に分けて評価したが, その成績は20G針に比べ18G針を用いた場合で有意 (P<0.05) に良好であった.組織型の診断については, 20G針に比べ18G針を用いた場合で正診率がより高い傾向が認められた.特に組織診が難しい良性病変や一部の悪性腫瘍の組織診断において, 18G針は良好な結果を示した.以上のことから, 詳しい組織学的検索が必要な場合, 18G針の使用が有用と考えられた.