昭和医学会雑誌
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食道残胃カンジダ症の1例
相田 貞継新井 浩士李 雨元李 雅弘普光江 嘉広安藤 進清水 喜徳村上 雅彦草野 満夫
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1994 年 54 巻 1 号 p. 68-71

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抄録

基礎疾患のない患者で広範な食道残胃カンジダ症をみとめた1例を報告する.症例は56歳男性.6カ月前, 十二指腸潰瘍にて胃切除術施行.悪心, 嘔吐, 胃部不快感にて入院.内視鏡検査施行し, 中部食道から残胃に白苔様小隆起が散在し, 粘膜面は発赤強くカンジダ症が疑われた.生検にてカンジダ菌が検出されたため, nystatinの経口投与開始した.3日目に症状改善し, 約1週間で白苔, 粘膜の発赤所見も消失した.カンジダは常在菌であり, 通常その発症には基礎疾患が存在する.近年.潰瘍治療による低酸状態から食道胃カンジダ症の報告も散見され, 同様の発症機転から残胃のfollow upについても, 同疾患を常に念頭において観察するべきと思われた.

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