抄録
ガストリンの潰瘍治癒への関与をラット酢酸胃潰瘍を作製し, 外因性にガストリンを投与して検討した.胃潰瘍ラットをガストリン投与 (G) , 生理食塩水投与 (C) , ガストリン+プロトンポンプインヒビター (オメプラゾール) 投与 (G+O) , オメフ.ラゾール投与 (O) 群に分け, 1, 3, 5, 7, 10日間薬剤を投与し検討した.BrdUによる潰瘍辺縁のS期細胞標識率は, C群と比較してG群では3, 5, 7日で, O群と比較してG+O群では1, 3, 5日で高値を示した.しかし, G群では10日にはC群と差がなく, G+O群では7, 10日でO群より低下し, O群で有意に高値となった.組織学的には10日で, G, G+O群ではC, O群と比較して疎な繊維性結合織を認め, 潰瘍治癒の阻害が認められた.ラット酢酸胃潰瘍における外因性ガストリンの投与は潰瘍治癒において, 早期の胃粘膜の修復に促進的に作用するが, 結合組織における繊維芽細胞の増殖, 新生血管増生には抑制的に作用すると推定された.