昭和医学会雑誌
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抗ヒトヘモグロビンモノクローナル抗体―モノクローナル抗体の開発とその性状について―
畠山 雅彦東 悳彦竹田 稔
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1995 年 55 巻 5 号 p. 484-490

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抄録
大腸癌検診の一次スクリーニングとして行われている免疫学的便潜血反応には, 抗ヒトヘモグロビン―ポリクローナル抗体を結合させたラテックスなどの凝集反応を利用した測定法が主流をなしている.今回, 我々は免疫学的便潜血反応に応用可能なマウスモノクローナル抗体の作成を試み, その特異性及び, 応用性について検討を加えた.数回の融合実験の結果, ヒトヘモグロビンに反応するモノクローナル抗体を10クローン作成することに成功した.ELISA法を用い動物ヘモグロビンとの交差反応性を検討したところ, そのうち3クローン (SU-104, 107, 110) がヒトヘモグロビンと特異的に反応することが確かめられた.一方, 全クローンについて2クローンずつの組み合わせを作りゲル内沈降反応を試みたところ, 12通りの組み合わせにおいて沈降線が確認された.さらに, SRIDによるその抗体活性の比較検討より, (SU-104, 110) の組み合わせがよりヒトヘモグロビンと強い反応性を示すことが見いだされた.また酵素標識した抗体を用いたサンドイッチELISA法の検討においてもSU-104と110の組み合わせで良好な検量線が得られた.次に, ラテックス担体にSU-104と110の等量混合品を結合させ, ヒトヘモグロビン及び食餌性の動物ヘモグロビンを反応させたところ, ヒトヘモグロビンのみ凝集が観察され, 検出感度はおよそ1μg/mlであった.以下の実験結果から, モノクローナル抗体の沈降反応系や凝集反応系による免疫学的便潜血反応へ応用できる可能性が示唆された.
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