昭和医学会雑誌
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半規管とキヌタ骨の位置関係について
西井 真一郎小林 一女野村 恭也
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キーワード: 半規管, 側頭骨, 計測, 臨床解剖
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1999 年 59 巻 2 号 p. 172-179

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抄録
最近頑固な頭位変換性めまい症例の治療として, 半規管に対する手術が行われるようになってきた.そのためには側頭骨内における半規管の解剖学的位置関係を知ることが不可欠である.われわれは側頭骨CT写真およびヒト側頭骨を用い, 前半規管, 外側半規管, 後半規管に関する計測を行った.
側頭骨CT写真を用いた計測では, キヌタ骨短脚から外側半規管隆起までは, 平均1.2mm, 外側膜半規管までは2.3mm, 後膜半規管までは9.5mmであった.ヒト側頭骨を用いた計測では, キヌタ骨短脚から外側半規管 (blue line) までの平均の最短距離は2.7mm, 後半規管 (blue line) までは8.5mmであった.後半規管は, Donaldson's line上 (外側半規管のblue lineの延長線上) でキヌタ骨短脚から10mm以内に存在しており, 軸位-20度で撮影したCT写真での計測距離は, 実測値と近似していた.また, ヒト側頭骨を用いた計測により前半規管 (blue line) までの平均の最短距離は, キヌタ骨短脚からは6.5mm, キヌタ・ツチ関節内側面からは4.1mm, アブミ骨頭からは6.0mmであった.
以上の結果から, 側頭骨CT写真による内耳の計測は, 半規管の位置同定等に有用であると考えられた.
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