抄録
ラット腹腔滲出細胞 (PECs) を用い, クマ笹の葉のアルカリ加水分解抽出液 (鉄置換体; Fe-SE, および銅置換体; Cu-SE) のCaイオノフォアA23187誘発ヒスタミン遊離に対する影響について検討し, 合わせて共焦点レーザー蛍光顕微鏡による細胞内遊離Ca2+動態を調べた.
PECsにおけるA23187誘発脱顆粒反応は, Ca2+フリー栄養液では認められず, Ca2+含有栄養液中ではA23187の用量に依存して認められた.このA23187誘発ヒスタミン遊離には共焦点レーザー蛍光顕微鏡による実験から細胞内遊離Ca2+上昇が必須である事が示された.また, クマ笹抽出液はFe-SE, Cu-SE共にPECsにおける0.5μMおよび1.0EMA23187誘発脱顆粒を抑制した.この抑制作用は共焦点レーザー蛍光顕微鏡による検討の結果, クマ笹抽出液前処理による細胞内遊離Ca2+上昇の抑制が大きな要因である事が示された.陽性対照薬として用いたクロモグリク酸もA23187誘発脱顆粒反応を抑制し, その作用は細胞内遊離Ca2+上昇抑制を伴った.
以上より, Fe-SEおよびCu-SEのラットPECsにおけるA23187誘発脱顆粒抑制作用は両SE間で抑制作用の程度に差異はみられず, その作用は細胞内遊離Ca2+上昇の抑制によるものである事が示された.