昭和医学会雑誌
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Crohn病手術症例の検討
澁澤 三喜角田 明良山崎 勝雄平塚 研之神山 剛一高田 学横山 登吉沢 太人中尾 健太郎張 仁俊保田 尚邦草野 満夫
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1999 年 59 巻 4 号 p. 468-474

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抄録

過去21年間に教室および関連病院で経験したCrohn病症例のうち, 腸管切除がなされた手術症例24例を対象として, 治療成績および術後経過について検討した.初回手術時平均年齢は34歳で, 病悩期間は3年であった.手術適応では小腸大腸型が11例と最も多く, 瘻孔が手術理由として多かった.次いで小腸型の8例で手術理由では狭窄が多かった.術後の再発例は10例 (41.6%) にみられ, 7例に再手術がなされた.このうちの5例は小腸大腸型であり狭窄がその再手術理由であった.累積再手術率は5年で21%, 10年で29%であり, 発症年齢が若年であるほど再手術例が多い傾向がみられた.Crohn病に対する手術術式も小範囲切除, strictureplastyなど変化がでてきており, 今後は栄養療法や化学療法にQOLを考慮した手術治療を併用した新たなる治療法を進めていく必要があると思われた.

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