昭和医学会雑誌
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甲状腺癌におけるp53, Ki-67, C-erb B2, E-cadherin, β-catenin異常発現と臨床動態および予後との関係
竹村 栄毅
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キーワード: 甲状腺癌, 同時発現
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2003 年 63 巻 2 号 p. 193-210

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抄録
甲状腺癌は他の頭頸部悪性腫瘍とは異なり, 病理学的にも多彩な腫瘍を生じる臓器であり, その大多数を占める分化癌は発育が緩慢で予後良好とされている.しかし一方ではオカルト癌に代表されるように早期にリンパ節転移を起こす症例や被膜外に広く浸潤し, 気管など周囲臓器の切除を余儀なくされる症例もあり, 非常に興味深い腫瘍である.我々はp53, Ki-67, C-erb B2, E-cadherin, β-cateninを測定し, 臨床学的パラメーターとの相関を検討し, これらを総合することで, 甲状腺癌の興味深い生物学的動態との関係を調べるとともに, 甲状腺癌の予後因子になりうるものか考察した.その結果, T分類, すなわち腫瘍の増大, 伸展と広範囲へのリンパ節転移に対するp53とKi-67, またはその同時発現が影響することが立証された.また, オカルト癌ではp53の発現とともにE-cadherin異常の関与も示唆された.しかし, いずれの因子も生存率には関係が無いという結果であった.これは, 甲状腺癌は遠隔転移以外の部位はほとんどが手術治療が可能であり, 腫瘍が大きくても, 頸部リンパ節転移を認めても外科的に摘出し救命し得るため, 生存率という数字には反映されなかったものと思われた.しかし少なくともp53あるいはKi-67の発現例では経過観察中において注意が必要であると警告する予見因子になりうるものと考えられた.
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