抄録
ALS, 74歳男性.ALSと診断された後も通常の摂食を行っていた.転落による頭部外傷にて開頭術施行後, 経口摂取行うも肺炎を併発したために経鼻経管栄養となっていた.入院時に痴呆と四肢近位筋優位の筋力低下と共に, 嚥下造影にて咽頭残留と喉頭への侵入を認めるも, 少量の経口摂取は可能であった.入院中に自力摂取が可能な状態となったが全く摂食意欲は向上せず, 胃瘻を造設し退院.退院後に漸く摂食意欲が向上し, 3食とも一部経口摂取が可能となるが上肢機能低下に伴い再び自力摂取も困難となった.その後, 肺炎にて死亡.本例ではALSによる球麻痺は比較的軽度であったが, 摂食意欲低下を伴ったために予後予測が困難であった.またALSなど進行性神経疾患において, 重複障害を生じた場合は比較的早期に胃瘻造設を検討する必要性が示唆された.