昭和医学会雑誌
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当科におけるクリティカルパスの実用とバリアンス修正の可能性
中尾 健太郎清水 喜徳角田 明良嘉悦 勉草野 満夫成田 佳子石橋 悦子馬杉 朗子
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2004 年 64 巻 2 号 p. 229-233

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抄録
近年, 標準的医療の提供と医療資源の適正な使用のために, クリティカルパス (Critical path, 以下CP) の運用が必須となってきている1, 2) .当科においても, 平成14年度は12のCPが運用され, 使用されたCPを用いた症例数は256症例であり, 全手術症例のうちの60.1%であった.一方, CP運用途中で中止された症例は5例 (2.0%) であり, そのバリアンスを検討したところ, 術中の合併症によるものが2例, 術式の変更によるものが1例, 早期退院のため中止されたものが2例であった.これらのうち, 早期退院の2例についてはCPの逸脱の原因を検討すると, それらはCPを続行できた可能性があると思われた.しかし, 合併症などを起こした3症例に関しては修正困難であり, CPの脱落と考えられた.このことから, 術式の変更や合併症が生じた場合, そのCPの運用において修正の可能性は少なく, 新たなCPへの切り替えが必要であると思われた.
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