抄録
近年Lichen Planus (LP) の病変部においてCDla陽性樹枝状表皮細胞が増加していると報告されているがその意義については不明な点が多い.今同我々は, LPにおける表皮Langerhans細胞の動態を明らかにすることを目的として以下の検討を行った.LP10例, 対照としてdermal typeのerythema exsudativum multiforme (EEM) 10例の生検皮膚と10例の皮膚良性腫瘍の切除時に採取した正常皮膚について抗ヒトCDla抗体を用いて, 蛍光抗体間接法を施行した.画像解析装置により表皮1mm2あたりのCD1a陽性樹枝状表皮細胞数, 細胞質突起の長さを計測, 同時に電顕的に観察した.LPではCD1a陽性樹枝状表皮細胞数, 細胞質突起の長さとも対照群より有意に増加および伸長していた.電顕的にLPでは表皮Langerhans細胞の細胞質に豊富な細胞内小器官が見られ, 一部のLangerhans細胞では多数のBirbeck顆粒が充満する所見が得られ, 活発な細胞内代謝が示唆され免疫病理学的所見を裏づける結果と考えられた.