2017 年 55Annual 巻 5AM-Abstract 号 p. 436
人工知能が注目されるなかで、様々な人間活動へのオントロジーの応用が報告されている。医療でも疾病概念、ガイドライン、教育などへの応用が報告されているが、外科系診療への報告は少ない。オントロジーの手法に準じた内視鏡診療工程の記述と解析を試行した。経鼻的上部消化管内視鏡検査について、上部消化管内視鏡検査の工程をオンコロジー的な手法を準用して記述・解析することが可能であった。しかし同時・反復操作、直観的操作などの記述には一定の限界が存在した。オントロジーは医療の自動化・AI導入のみならず教育・評価、工程管理などにも有用性が期待される。一方で直観的行動が連続する外科臨床へのオントロジー手法の適応には、ある種の限界と煩雑さという課題が日常臨床における必要性自体の評価とともに存在する。オントロジーの簡略化や実用的なオントロジー作成ソフトウエアの開発の必要性とともに、既存の工程解析との差別化などの課題も判明した。