生体医工学
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良い姿勢維持のための姿勢筋筋力計測と各姿勢での特徴量検出
中村 彩乃岡田 志麻牧川 方昭塩澤 成弘パク ミンオク
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2018 年 Annual56 巻 Abstract 号 p. S369

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抄録

近年,姿勢を気にする人が増えている.実際,姿勢が悪くなると外見が悪くなるだけではなく,その人の健康状態にも影響が出るといわれている.つまり,姿勢の改善はその人の健康状態の改善にもつながるのである.しかし,初め良い姿勢であったとしても,長時間維持し続けることは難しい.そこで,本研究では普段長時間維持する必要がある姿勢のうち,立位姿勢と座位姿勢に着目し,良い姿勢と悪い姿勢では筋の使い方がどのように変化するのかについて,姿勢筋の筋電位計測より検証を行った.被験者には実験者が指示した条件の姿勢を立位と座位においてランダムで行ってもらい,30秒間維持させる.その時の筋電位を計測した.計測する対象の筋は左右の外腹斜筋,腹横筋,腰部脊柱起立筋,内腹斜筋の計8か所である.結果より,良い姿勢は自然姿勢より全体的に筋電位が大きくなり,前傾姿勢や後傾姿勢などでは筋電位が大きくなる筋に偏りがあった.また左右の筋電位を比較した結果,左右どちらかに偏る人が多くみられた.しかし,外見上では大きな変化はみられなかった.普段,日常生活で使用している筋や生活習慣による普段の姿勢の傾きなどに関係することが示唆された.したがって,人によってそれぞれ筋の使い方は異なるので,良い姿勢を長時間維持するためには,どの筋を鍛えなければいけないのかを定量的に計測しながら正確に判断していく必要がある.

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© 2018 社団法人日本生体医工学会
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