生体医工学
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姿勢変化に伴う影響を低減可能な眼鏡装着型血圧脈波計測デバイス
栗山 大祐堀 正峻土肥 徹次
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2019 年 Annual57 巻 Abstract 号 p. S107_1

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抄録

連続的な血圧計測のための手法としてトノメトリ法が注目されている.我々は体動の影響を受けにくい浅側頭動脈にトノメトリ法を適用した.しかし,上半身の姿勢が変化するとき,計測位置と心臓の相対高さが変化するため,正確な計測が困難となる.そこで本研究では,頭部の角度を計測することで姿勢変化の影響を補正可能な眼鏡装着型血圧脈波計測デバイスを試作した.試作デバイスは3軸力センサ,3軸調節機構,信号処理基板より構成される.試作デバイスでの角度計測実験を行った結果,与えた角度変化と計測角度の誤差の平均値は-0.61°,標準偏差は0.35°となり,高い精度で角度を計測できることを確認した.上半身の姿勢を変化させた時の各姿勢での血圧脈波の最大値を計測し,姿勢変化後の血圧脈波を姿勢変化前の血圧脈波へと補正するための係数を算出した.この係数を用いて,上半身を起こした状態から60°,30°と姿勢を変化させた時の血圧脈波の最大値の補正を行ったところ,補正前に対してそれぞれ68%,35%の誤差を低減することができた.以上から,頭部の角度計測により,血圧脈波計測における姿勢変化の影響を低減可能であることを確認した.

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© 2019 社団法人日本生体医工学会
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