生体医工学
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Coronary Orbital Atherectomy System (OAS)の日米同時治験とその普及を通じて学んだこと
栗田 宣文福本 富一
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2019 年 Annual57 巻 Abstract 号 p. S13_1

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抄録

米国CSI社のDiamondback 360 Coronary Orbital Atherectomy System (OAS)は、冠動脈重度石灰化病変をダイヤモンドコーティングされたクラウンが高速で軌道回転することにより、石灰化プラークを減少させ、その後のPCIを容易にするデバイスである。 第一世代のOAS Classic Crownは、米国でのORBIT II試験により2013年FDAから承認された。第二世代のOAS Micro Crownは、2014年日米医療機器規制調和(HBD)の一環で実施された日米同時治験(COAST)の結果、2017年に日米同時に承認された。しかしながら、米国では限定施設による臨床使用において、59例中5例(8.5%)の重篤な有害事象が報告され、第一世代のClassic Crownに回帰。 一方、日本では導入初期より治験施設の提言として適応病変や手技の注意喚起が行われ、継続使用された。日本での有害事象の発生率は0.5% (3/583例:2018年末時点)に止まったが、米国同様にClassic Crownへの回帰が考慮され、2018年12月に第一世代であるClassic Crownに改良が加えられたNew Classic Crownが新ガイドワイヤとともにPMDA承認を受け、以後普及が加速している。日本での同製品のディストリビュータとして、これらの経験から学んだことを考察する。

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© 2019 社団法人日本生体医工学会
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