生体医工学
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超音波援用ドップラーOCTを用いた再生組織力学特性のマイクロ断層可視化評価法
佐伯 壮一古川 大介山根 晃司
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2019 年 Annual57 巻 Abstract 号 p. S24_1

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抄録

自家培養軟骨など3次元培養された再生組織の開発が進み,臨床適応が実現している.しかし,構築組織の粘弾性力学特性を非侵襲評価する手法が確立されていないことから,培養工程中の組織機能特性の定量的品質管理(Quality by Design)に改善の余地がある.本研究では,完全非接触・非侵襲に組織力学特性をマイクロ断層可視化する超音波援用ドップラーOCT(UA-OCDV)を提案し,そのマイクロ断層可視化評価能力について検討する.正常培養真皮とヒアルロニダーゼ酵素処理を施した培養真皮に対してUA-OCDVシステムを適応し,変位流動速度分布を検出した.その結果,音響放射圧と変位流動速度との位相差断層マップにおいて,正常培養真皮では位相差の空間勾配が顕著に現れるのに対し,酵素処理培養真皮では一定の位相差となることが分かった. 位相差勾配は組織力学特性に依存していると考えられ,これらの結果より,再生組織の透水性および粘弾性の非接触評価システムとしてUA-OCDVが有効な診断法であることが示唆された.

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© 2019 社団法人日本生体医工学会
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