生体医工学
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ブタ胸膜の機械的性質
坂井 仁美前田 寿美子高野 則之
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2019 年 Annual57 巻 Abstract 号 p. S74_2

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抄録

肺表面に嚢胞や腫瘍が発生する原発性自然気胸や肺腫瘍といった肺疾患に対する治療には,主に自動縫合器を用いて患部を含む肺組織を部分的に切除する手術が行われている.手術により原因となる部分を切除することで,再発リスクは大きく低下するとされている.しかし,原発性自然気胸では,治療後に手術で縫合した切除線であるステープルライン近傍で肺嚢胞が新たに発生し,再発する場合がある.一方,肺腫瘍に対しても同じように部分切除により治療を行うが,術後に肺嚢胞が形成されて気胸を起こす確率は圧倒的に低い.これらの切除法が術後肺に及ぼす影響を応力解析で求めるためには肺の機械的性質が必要になる.本研究では,胸膜の機械的性質を考慮した解析を行うためにブタ肺の胸膜を用いて引張試験を行い,応力-ひずみ線図を求めた.その結果,肺組織とは異なった非線形の応力-ひずみ線図が得られた.

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© 2019 社団法人日本生体医工学会
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