生体医工学
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マイクロ波プラズマを用いたUVオゾン発生装置による殺菌能力の評価
楠元 直樹平岡 茂美川島 徳道渡部 篤也蓮沼 裕也徳岡 由一
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2019 年 Annual57 巻 Abstract 号 p. S85_2

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抄録

本装置は、ガラス製水銀封止球に外部からマイクロ波を印加し、紫外線を発光させる。その紫外線によってガラス製水銀封止球周辺の酸素をオゾンに変換又は分解させる装置である。内部に電極がないため、水銀灯の寿命が大幅に改善される。発せられる主要な紫外線波長は184.9nmと254.7nmである。前者はオゾンを発生させ、後者はオゾンを分解する。オゾンを分解可能なため人体への影響を抑える事が可能である。高濃度オゾンは高い殺菌効果が期待でき、オゾンによる滅菌を、本装置により確立させることを目的とし、殺菌効果の評価を行った。寒天培地に微生物を塗布し、本装置によって殺菌する。その後、インキュベーターで培養し、翌日、発育したコロニー数をカウントする。発育コロニー数より生菌率を算出し、本装置の殺菌効果を評価する。黄色ブドウ球菌は、本装置により10分間で十分殺菌可能である。芽胞形成菌である枯草菌は、芽胞状態になると本装置によって殺菌することは困難であったがオゾン濃度をさらに上昇させることで、コロニーの形成が確認できなった。最も殺菌が困難とされる芽胞形成菌に対して、本装置が有用と考えられる。

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© 2019 社団法人日本生体医工学会
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