生体医工学
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バイオAFM計測:1細胞から多細胞へ
岡嶋 孝治
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2020 年 Annual58 巻 Abstract 号 p. 175

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抄録

原子間力顕微鏡(AFM)は、生きた細胞・組織の力学特性を高い時空間分解能で計測できる特徴をもつ[1]。このAFMの高い位置・力制御機構を利用することにより、1細胞メカニクスの個性[2]やその時間変動(揺らぎ)[3]の定量計測、そして、AFMによる細胞アッセイ法の可能性とその限界も明らかになってきた。さらに、AFMの計測対象は、1細胞から組織等の多細胞系へと広がっている。AFMを用いた多細胞系のメカニクス計測を実現するために、大きな表面粗さを有する多細胞系の精密計測法[4]や高速レオロジー計測法[5]が提案され、多細胞系に内在する弾性率の空間分布をサブ細胞分解能で捉えることも可能になってきている[6]。本講演では、AFM細胞アッセイと今後の組織力学計測への展開と問題点について述べたい。[1] Y. M. Efremov et al. Soft Matter 16, 64(2020). [2] P.G. Cai et al., Biophys. J. 105, 1093 (2013) . [3] P.G. Cai, R. Takahashi et al. Biophys. J. 113, 671 (2017). [4] Y. Fujii, T. Okajima, AIP Advances 9, 015028 (2019). [5] R. Takahashi, T. Okajima, Appl. Phys. Lett. 107, 173702 (2015). [6] Y. Fujii et al., Biophys. J. 116, 1152 (2019).

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© 2020 社団法人日本生体医工学会
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