2021 年 Annual59 巻 Abstract 号 p. 195
近年、子育てや介護と仕事の両立、大都市への一極集中、などの社会課題の解決に向けて社会システムが移行している。働く場所、時間の考え方が変わり、選択肢が増えつつある。少子高齢化による老々介護の加速、医師不足による過疎地での医療崩壊により、自宅での遠隔医療が渇望される。また、科学の進歩により、個人のDNA情報に基づく創薬、副作用の少なく、治療効果の高い、個別化医療が可能になりつつある。このような社会動向から、私たちは高度な機能を備え(intelligent)生きているように自発的に作動する(Living)細胞のような小さな区切られた(Cell)もの、”iL-Cell”の開発を提案する。iL-Cellは、エネルギー産生・備蓄、生体分子のセンシング、など、従来の細胞にはない機能の装備が求められる。本シンポジウムでは、iL-Cellの構築に必要な要素技術として今何を研究するべきか、また、iL-Cellが拓く2050年の社会について議論したい。