生体医工学
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測定条件フィードバック機能を有する爪床圧迫テスト定量化装置の開発
篠崎 真良中口 俊哉羽石 秀昭中田 孝明
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2021 年 Annual59 巻 Abstract 号 p. 587

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抄録

Capillary refilling time(CRT)はショック状態の評価指標であり,救急医療分野で使用される.測定は患者の指先を圧迫し,解放後の爪甲下の皮膚色を目視で観察して行う.しかし,CRTによる診断は,ガイドラインがないことに起因して客観性がない.本研究はCRT測定の定量化にむけて,最適な測定条件(圧迫力と圧迫時間)を決定することと,手動操作による最適測定条件下での測定を可能にするために,測定条件を視覚的にフィードバックする機能を有する測定装置の開発を目的とする.先行研究では,定量化にむけて測定装置が提案されているが,測定条件の検討が不十分であった.そこで様々な測定条件で高精度にCRT測定を可能にする基礎実験装置を開発した.20~70代の健常者31名を対象に測定実験を行い,統計解析を用いて最適測定条件を決定した.また,測定者に測定条件の視覚的なフィードバックを行うことの有効性評価を行うために評価機を開発した.評価機は表示装置を有しており,測定者は表示装置から測定条件のフィードバックを受け,最適測定条件を満たすよう圧迫を行う.非医療従事者20名を対象に測定実験を行った.表示装置を用いた測定条件の視覚的なフィードバックは,測定者の圧迫を常に最適測定条件内に収めることを可能にすることを確認した.そして,2つの検討をもとに測定装置を試作し,目視による従来の測定手法と比較した.

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© 2021 社団法人日本生体医工学会
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