生体医工学
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屋外における高齢者見守りに有効な情報とその共有についての検討
戸谷 伸之松田 成司中島 潤
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2021 年 Annual59 巻 Proc 号 p. 685-686

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抄録

 高齢化社会において,ヒトの体調管理は事故防止のために重要な課題となっている.このためには病院に入院している患者はもとより,在宅中や屋外における体調や運動(歩行状態や姿勢等),さらには自動車の運転中の状態チェックなど高齢者の行動範囲でモニタリングを可能とする「見守りシステム」が必要になると考えられ,センシング技術やそこで取得された様々な情報を広い領域で長時間連続的に共有するための通信方式の導入が検討されている. 屋外を自由に行動する高齢者の見守りについては,長距離伝送が可能かつローコストで継続的な運用が可能な無線通信システムの導入が有効であると考えられる.近年,消費電力が低く,かつ広い範囲での通信を可能とする無線通信ネットワーク方式であるLPWA(Low Power Wide Area-network)が開発され,様々な分野への応用が期待されている.これに含まれる通信規格には様々なものがあるが,使用される電波帯域は遠達性の良いサブギガ帯(約900 MHz)が多く,伝送距離は数十km,伝送速度は数百kbpsまでのものがある. 本研究では,屋外を自由に行動する高齢者を見守るために必要であると考えられる情報(体調に関わる指標,現在地,活動状況等)を複数種類提案し,これらをLPWAを用いて伝送し,共有する方式の有効性について検討する.

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© 2021 社団法人日本生体医工学会
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