生体医工学
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ポンプ光変調を用いた光ポンピング磁気センサによる平面型多点同時計測
大村 剛史伊藤 陽介小林 哲生
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2021 年 Annual59 巻 Proc 号 p. 834-836

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抄録

"【背景・目的】光ポンピング磁気センサ (optically pumped magnetometer: OPM) を生体磁気計測に応用するには、センサの多チャネル化が望ましい。我々のグループではポンプ光伝搬方向とプローブ光伝搬方向の二通りの多チャネル化に関する研究を行ってきた。ポンプ光伝搬方向には、拡大したプローブ光を複数のフォトディテクタで読み出すことで実現され、プローブ光伝搬方向には、異なる周波数で変調した複数のポンプ光により実現される。本研究ではこの二通りの手法を組み合わせ、平面型多チャネルセンサを構築する。【方法】本研究では、電気光学変調器を用いて偏光変調もしくは強度変調を行った2本のポンプ光と、プローブ光を検出する3つのフォトダイオードにより、1つのOPMセル内のポンプ光とプローブ光が作る6つのチャネルにおける計測感度を調べた。変調周波数を43 Hz,63 Hzとした場合と、83 Hz,123 Hzとした場合で計測信号がどのように変わるか検証した。【結果・検討】43 Hz, 63 Hzで変調した場合、計測対象信号を二つの周波数帯域に分離することができ、このとき各チャネルの感度は43 Hz で変調した3チャネルで32, 37, 30 pT , 63 Hz で変調した3チャネルで24, 19, 18 pTであった。しかし、83 Hz, 123 Hzで変調した場合は変調周波数が大きいため信号強度が減少し、側帯波がノイズに埋もれ確認できなかった。本センサの生体磁気計測への応用には、更なる感度向上が必要となる。"

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© 2021 社団法人日本生体医工学会
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