2021 年 Annual59 巻 Proc 号 p. 843-845
心臓の電気的活動として生じる心磁場の計測においては、一般的に環境ノイズを低減するためにシールドルームを必要とする。しかしながら、シールドルームは、大きい、重い、価格が高いという課題があった。シールドルーム以外の環境ノイズ低減方法としては、信号空間分離(SSS:Signal Space Separation)やグラジオメータのソフトウェアシールド技術が知られているが、干渉磁場源が磁気センサに近接している場合にはシールド性能が低下する事が報告されている。シールドルーム外の環境において磁気センサ周辺には装置電源や空調設備等の干渉磁場源が存在しており、心磁場の測定精度を低下させる原因となる。我々は、TMR3軸センサで構成されたセンサアレイで測定した心磁測定結果に対し、tSSS(spatio-temporal Signal Space Separation)のアルゴリズムを適用し、アレイ近傍に干渉磁場源が存在する場合においても、高いシールド性能が得られることを実証した。