2023 年 Annual61 巻 Abstract 号 p. 308_1
様々な表情の中で笑顔は,人種や文化によらず生活の質(Quality-of-Life, QOL) を最も反映しやすいと考えられる.昨年度我々は笑顔度を計測する装置を開発し,様々な表情変化時の笑顔度計測を行った.本年は,このシステムの普及と日常的利用に必要な要件:1)自由ソフトウェアライセンスの採用,2)個人識別と計測,3)計測データの外部送信について研究開発を行った.まずシステム構成を見直し,商用/非商用の無償利用が可能なOpenCVのみを用いて再構築した.また,複数人がカメラに映りこむ日常的な状況で計測を行うために,複数人を識別し,同時に各人の笑顔度を計測できる機能を追加した.随時表情が変化する各人を安定に識別・同定するための閾値設定には,産総研表情データベース2017を利用した.さらに,ローカルもしくはクラウド上の複数への安全な送信のために,MQTTを転送プロトコルとして採用し,ローカル環境において笑顔度の送受信および実時間のグラフ表示を実現した.