生体医工学
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デジタル変革で拓く看護の進化
仲上 豪二朗
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2024 年 Annual62 巻 Abstract 号 p. 110_1

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抄録

ICT、IoT、AIなどの先端技術が急速に発展し、これら技術の進展がデジタルトランスフォーメーション(DX)として看護分野にも波及している。特に、病院や在宅ケアにおける人員不足の課題を背景に、DXを活用してケアの質を維持、または向上させる取り組みの重要性が増している。看護分野におけるバイタルサイン、治療・看護の記録、患者のアウトカムなど、豊富なデータが電子化され利用可能な状態にあるが、ナーシングデータサイエンスの人材不足や統合データベースの欠如が課題である。本発表では、このような背景の下、電子カルテデータを活用した褥瘡や転倒などの有害事象の予測に関するAIモデル、体圧センサシートを用いたロボティックマットレスによる最適圧力の提供、遠隔コンサルテーションシステムなど、DXを通じて患者のQOL向上に貢献する先進的な事例を紹介する。これらの技術が看護の現場でいかに実装され、患者の幸福寿命を延ばすために役立てられているのかを示し、将来の看護におけるDXの可能性について議論を深めることを目指す。

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© 2024 社団法人日本生体医工学会
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